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いよいよ助産院へ、と思ったが陣痛の間隔がまだまだ短くならない。先生に電話すると7分間隔になってから来てとのこと。
結局、家をでることになる18時半までは普通に近所のスーパーに行ったり、昼寝したり、長女と遊んだりして過ごす。妻は長女が使っている踏み台を上ったり下りたりの運動を繰り返して、すでにクタクタになっている。
助産院に到着する頃には、陣痛が進行していて妻の表情もその波にあわせて険しくなってきている。でも先生の診察ではまだまだとの判断。夕飯をしっかり食べて寝て、と言われ入院する座敷部屋へ移動する。が、いやいや妻の状態はそんな呑気な感じではなくなっているけど…先生!? 夕飯を買ってきてくれた義母も到着。
陣痛の度に「う”〜」と唸る妻の腰を力一杯押しながら(腰骨を強く押すことで痛みが和らぐ)、その間に長女と冷麺をたべる父。長女も夜の一大イベントに向けてなんだか楽しそう。妻はだんだんそれどころではない。
一気に陣痛が進んでいるようで室内トイレに行った妻が「なんかプチっていった!先生呼んで!」と叫ぶ。ここからは長女が生まれた時に比べると5倍速くらいのはやさで時間が進んでいく。二人目は通り道ができているから早いというのは本当だ。布団の上で仰向けになった妻はいよいよといった感じで、到着した先生がみるともうすでに頭が出かけていた。「出てるじゃない!内線10番に掛けてくださる。誰もでなかったら11番、それでもでなかったら13番!」先生慌ててゴム手袋を装着したり布を広げたり…でもとても間に合っていない。最低限の準備でもう赤子を取り出しにかかる。いよいよその時になって「ふみちゃん、ミニ子がでてくるところ見といたら!」と妻。父は妻を膝枕状態なので、義母と長女がその瞬間を特等席で眺めることに。長女は「ミニ子でてきたね〜」と平然としている。当初母の苦しんでいる姿を見続けることができるのか…と心配していたのだが、何の問題もなかった。命を生むことの大変さ、どうやってヒトは生まれてくるのかを自分の目で見て体験できた長女はきっと何かを感じてくれたことと思う。
21時16分、産声をあげたのは元気で大きな男の子。一滴の血もついていない。へその緒を切らせてもらい母親の胸元へ。赤子におっぱいを吸わせる。長女はさっそく興味津々な様子。
今日から本当のお姉ちゃんだ。おめでとう。
長男、生まれてきてくれてありがとう。
妻へ、生んでくれて本当にありがとう。
長い長い一日、長男が生まれた部屋で家族4人で寝る。